2017年9月3日

八丈島 流人と絶景と温泉の島 ④末吉温泉「みはらしの湯」

3日目。最終日です(平成29年7月下旬、東京都八丈町)。
「満天望」の朝食に、まず驚きました。何とトビウオのフィッシュバーガー
地産地消にこだわったそうで、サクサクで美味しい……。
最後まで素晴らしい宿でした。
チェックアウト後に、再び大坂トンネルをくぐって、末吉温泉「みはらしの湯」へ(火休、500円)。
2日目ではなく最終日に訪れた理由は、広い方の露天風呂(写真)が、奇数日=男性、偶数日=女性と割り振られているためです。

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(八丈島の形をしています。なお、他の入浴者がいない状況で、浴室内に入ることなく撮影したものです。)
泉質は、ナトリウム-塩化物強塩温泉
「強塩」の字が入っているとおり、昨日の中之郷温泉「やすらぎの湯」より塩分が濃いめで、肌のヒリヒリ感は強めです。
しかし、露天風呂からの眺望は最高!
浸かったり休んだりを繰り返しながら、しばらく夏の海を眺めていました。
入浴後、大坂トンネルを戻り、八丈島歴史民俗資料館を訪れました(年中無休、360円)。
①(初日)にて言及したとおり、ここの流人コーナーは非常に充実しています。
宇喜多秀家以外に、橙の興味を引いたのは、次の流人の方々です。
1 猪熊事件の女官・唐橋局
猪熊事件とは、江戸初期の京都で発生した天皇の女官達と公卿達との集団不義密通事件で、公卿側の首謀者=猪熊少将の名を冠したものです。関係者の処罰に幕府(京都所司代)の介入を許し、後の「禁中並公家諸法度」制定につながったという歴史的意義があります。

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猪熊少将は死罪(斬首)、唐橋局らは(島の伝説では)最終的に八丈島へ流罪となりました。
唐橋局は、島の悪代官に言い寄られて、これを断ったところ、殺されてしまったそうです(合掌……)。
なお、猪熊事件については、漫画「へうげもの」に詳しい経緯が描かれています。
2 越後騒動の永見大蔵・荻田主馬
越後騒動とは、江戸前期・徳川綱吉の将軍就任前後に起こった越後高田藩(25万石)のお家騒動です。
将軍綱吉は、高田藩主・松平光長に遺恨を抱いていたため(綱吉の将軍就任に反対した酒井雅楽頭の縁戚だったためです。)、いったん下っていた裁定を覆し、高田藩を改易した上、首謀者全員を喧嘩両成敗で厳罰に処しました。
永見大蔵は庶子ながら家康の曾孫でしたが、荻田主馬とともに、八丈島へ流罪。
その後、島で発生した大飢饉の際、千両箱を抱えながら餓死したと伝えられています。

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説明板には、近時、大蔵らの墓が発見されたと記載されていたので、資料館の方に詳しい場所を教えて頂き、(何度目かの大坂トンネルをくぐって)墓参してきました。
笹藪に覆われた、非常に小さな墓石でした(合掌……)。
その後は、「一休庵」明日葉蕎麦を食し、島の北部を半周し、それでも時間が余っていたので、南原千畳敷の近くにある喫茶店「空間舎」へ。

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屋根裏部屋のような2階席で、美味しいコーヒーと明日葉チーズケーキをいただきました。
お土産は、空港で八丈島ジャージープリンを大量購入。
重い土産袋を抱えながら、最終便で、この流人と絶景と温泉の島を後にしました。
〔終〕


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