2016年9月26日

旧青木家那須別邸 明治の森の白亜の洋館

山縣有朋記念館から若干戻る形となりますが、板室街道沿いの旧青木家那須別邸を訪ねました(平成28年9月中旬、栃木県那須塩原市、入館料200円、月休・年末年始休)。
道の駅「明治の森・黒磯」に併設されています。

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(洋館へは、板室街道から真っ直ぐな檜並木の道が続きます。)
ここは明治前期の外相・青木周蔵の那須別邸だった洋館(国重文)。
青木も、那須野ヶ原の開拓に伴い進出してきた華族の一人です(拙ブログ「山県有朋記念館 元勲の終の棲家」参照)
なお、那須塩原市内には、他にも大山巌の大山別邸松方正義の萬歳閣(千本松牧場内・非公開)などの華族別邸が残されています。
この洋館の一番の特色は、外装だけでなく内装も、白で統一されていることです。
日常暮らすには非常に落ち着かないと思うのですが……。青木の後妻・エリザベートはドイツの貴族令嬢でしたので、彼女の趣味に合わせたのでしょうか?
外壁のツタ(蔦)模様も変わっています。モルタル製で輸入品だそうです。

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洋館内部は資料館となっており、当時の手紙や写真、家具などが展示されています(写真撮影不可)。
中でも、大津事件(ロシアのニコライ皇太子=後のニコライ2世暗殺未遂事件)を記した手紙は目を引きました。
青木一家の写真も多数展示されており、いずれも仲睦まじい様子です(ただ、青木は、家付きの前妻とは相当強引な方法で離婚しています。)。

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(写真は、洋館1階のバルコニー。このバルコニーでくつろぐ青木一家の写真も展示されていました。)
洋館の周囲は、広々とした芝生の広がる公園(無料)として整備されています。季節の花が咲き誇る「ハンナ・ガーデン」もあります(菜の花、ヒマワリ、コスモスなど。訪問時は残念ながら植え替えの時期でした。)。
なお、「ハンナ」とは青木の娘の名前で(「ハナ」とも)、これまたドイツの貴族(伯爵)に嫁ぎました。
いわずもがなですが、「ハンナ・ガーデン」は、「ハンナ」と「花」とを掛けたものと思われます。
【追記】
平成28年10月中旬、那須高原からの帰途に再訪しましたので、その際の写真とコメントを追加します(なお、併せて従来の写真を一部差し替えました。)。

「ハンナ・ガーデン」は、コスモス畑になっていました。

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洋館の周囲にも、秋の気配が漂います。

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〔終〕


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