2015年5月25日

甲州古寺巡礼 ①大善寺

山梨県には本業でしばしば訪れます。
或る日、顧客のお一人から、山梨県在住なのに県内の名刹を殆ど訪れたことがない、と伺いました。
それならばと、県民でもない私が大善寺(甲州市勝沼)をご案内することになりました(平成26年5月下旬)。
大善寺薬師堂です(国宝)。
鎌倉時代・元寇の頃の建立です。

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薬師堂の内陣には、やはり国宝の厨子や重文指定の仏像が多数安置されています。

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理慶尼(りけいに)の墓です
彼女は武田信玄に滅ぼされた勝沼信元の妹です。婚家を離縁され、大善寺で剃髪し、理慶尼と名乗りました。

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天正10年(1582年)、織田軍に追われて逃亡中の武田勝頼一行が大善寺を訪れ、一夜の宿を請います。
彼女にとって、勝頼は仇の子でしたが、一行を快く迎え入れます。
翌日、大善寺を出立した勝頼一行は、天目山で自害。戦国大名としての武田家は滅亡しました。
彼女は、この出来事を「理慶尼記」という文書に残しました。
その後、お寺のご厚意により、本坊でお茶をご馳走になりました。
江戸期作の庭園も見応えがありました。

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近くの勝沼氏館跡です(国史跡)。

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駐車場や説明版は整備されていますが、草ボウボウでした。
ところで、平成の大合併で、塩山市、勝沼町、大和村の3市町村が合併し、甲州市が誕生しました。
甲州を代表する観光地(恵林寺 等)と名産(勝沼ワイン 等)があるので、甲州市なのでしょうが、本来、甲州=甲斐国=山梨県なので、いささか違和感も覚えます。
山梨県には甲斐市や甲府市もあるので、多少混乱もします。
(②清白寺と向嶽寺 へ続きます)


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