2021年7月23日

風薫る若狭へ ③小浜の古刹 萬徳寺と明通寺

若狭国小浜は、かつては奈良の外港(日本海側)で「海のある奈良」と呼ばれました。
中世までは東大寺の大荘園(太良庄)が存続し、その名残が東大寺二月堂と水脈で繋がっているという「お水送り」の行事(鵜の瀬)です。
古刹も多数(明通寺、羽賀寺、神宮寺、萬徳寺等)。過去2回の訪問で一通りは巡礼しました。
前置きが長くなりましたが、今回の旅では以上の古刹から萬徳寺と明通寺を再訪します(令和3年4月下旬、福井県小浜市)。
まずは、萬徳寺へ(拝観料400円、年中無休)。
枯山水の書院庭園(国名勝)が随一の見所です。
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手前に広く敷きつめられた白砂、ツツジの刈込、モミジ、それに周囲の山々が調和した素晴らしい庭園です。
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新緑が目に眩しい……
春の新緑と白ツツジ、秋の紅葉が庭園の最も美しい時期なのですが、白ツツジの見頃は過ぎていました(´д`)
庭園鑑賞後は本堂に参拝し、本尊の阿弥陀如来坐像(国重文・平安後期)を拝観。
檜の一木造りで翻波の彫刻が見事。穏やかな微笑みをたたえた仏様でした(*^o^*)
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次に訪れた明通寺は、小浜の古刹群を代表する寺院(拝観料500円、年中無休)。
拝観受付を済ませると、受付の男性の方に本堂(国宝・鎌倉中期)内へと導かれます。
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他に拝観者がいない時間帯だったからでしょう、橙一人のために解説していただきました。
本堂内陣須弥壇に並ぶ仏像群(本尊薬師如来坐像、降三世明王像、深沙大将像。いずれも国重文・平安後期)は圧巻。
間近で拝観することができます(*^o^*) ※拝観後には図録も購入!
本堂と並ぶ三重塔(国宝・鎌倉中期)も、純和様の美しい佇まい。
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萬徳寺と明通寺は、いずれも裏山から渓流を吹き下る風が薫り、涼を感じることのできた寺院でした。
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古き良き若狭の古刹。
季節を変えて何度でも訪れたい場所です。
〔④蘇洞門めぐりと旧秀隣寺庭園 へ続きます〕


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