2022年6月26日
京都 紅に華やぐ ②苔寺 西芳寺
初めて京都を訪れてから30数年、未だ拝観していなかった著名な寺院があります。
苔寺 西芳寺です(京都市西京区)。
ネックとなっていたのは、事前申込制、高額な拝観料(参拝冥加料)、それに写経です。
「観光公害」を沈静化し、拝観を適切に管理するための制度ということは理解していましたが、少し前から写経が簡素化されたことを知り、意を決して往復はがきで申し込み、拝観して参りました(令和3年11月下旬、参拝冥加料3000円~。事前申込の詳細は西芳寺の公式HPを必ずご参照ください。)。
阪急嵐山線・松尾大社駅で京都バスに乗り換え、終点の苔寺・すず虫寺バス停で下車し、徒歩数分で山門に到着。
受付で往復はがきを示して参拝冥加料を納付し、購入したオリジナル筆ペン(500円、持参も可)で写経を済ませると、ようやく庭園の拝観が叶います(国特別名勝・史跡、世界文化遺産)。
黄金池を中心とする池泉廻遊式庭園(下段の庭)に一歩足を踏み入れると……
そこは一面光り輝く苔の世界!
水、苔、道、木々とその陰影、そして紅葉が、随所に美しい光景を造り出しています。
この庭園は、禅の高僧・夢窓疎石(夢窓国師)によって暦応2年(1339年)に作庭されたもの。
(庭園内の茶室「湘南亭」 千利休の次男・少庵の建立 国重文)
もっとも、作庭当時、庭園を覆う苔は存在しませんでした。
多湿な風土と年月の経過によって生まれ育ったものです。
庭園内の苔は120余種。
日々の手入れも欠かせないようで、当日も庭師の男性が苔の上から枯葉等を取り除く作業をされていました。
約1時間をかけ、ゆっくり庭園を廻遊。
疑いなく京都随一の苔庭でした(*^▽^*)
〔③竹の寺 地蔵院 へ続きます〕